2011年11月30日水曜日

Not Yesterday

人が作るもののほとんどは、
役割をあたえられて生まれてきます。
いや、ほとんどじゃなくて、
すべてと言っていいかもしれない。

たとえば、朝の貴重な時間を
なんとかやりくりして作った「おにぎり」。
お昼のために会社に持って行く
この「おにぎり」には、
いくつかの役割があたえられます。

「お腹を満たす」「昼食代を節約する」
「昼食の時間を節約する」
「まとめて炊いたごはんを有効活用する」
…ちょっと考えただけでも、
これだけ色々な役割があるわけです。

ちょっと事務的とか、無機質とか、
そんな言い方になってしまうけど、
この役割をきちんと果たすことを
「機能する」という言い方で表現する。

この「おにぎり」は
お昼に僕のお腹に収まることで、
さっきの役割を果たすことになります。
「おにぎり」として機能したということです。

ところが、世の中を見回すと、
機能していないものがたくさんあったりします。

機能しない商品、機能しない店員さん、
機能しないテレビ番組、機能しない広告、
機能しない政治、機能しない言葉…。

この機能しないものを
どうやって機能するものに変えていくか。
これが結構大事なテーマだし、
僕自身、今後取り組んでいきたいことだったりします。
意外と「変える」ではなくて「換える」で
解決できるケースが多かったりして。

機能していないくせに、
機能している顔をしているアレコレ達よ、
覚悟しなさいよ!ってなもんです。

2011年11月17日木曜日

デジタルネイティブ論

デジタルネイティブは恐るるに足らん。
このことは、ちょっと自信を持って主張したい。

物心ついた頃から身の周りにインターネットや
パソコンがあり、その頃からITに触れてきた世代を
デジタルネイティブと呼ぶという。
まだ小学校に入る前の知り合いの子供は、
テレビの画面を指先でスライドさせようとするらしい。
ディスプレイはすべてタッチパネルだと
認識しているのだ。

もうちょっと年齢が進むと、
パソコンを使いこなすのは当たり前で、
授業のノートをEvernoteに保存したり、
友達とのおしゃべりもSkypeを活用するそうだ。
本当の話かどうかはわからないが、
そんな現実があっても不思議じゃなさそうだ。

じゃあ、そんな彼らがお金を持って購買層になったり
社会人になって一緒に働くようになったら
驚異的な存在になるか、と言ったら、
そうでもないような気がする。

ITの登場や進化にワクワクやハラハラしてきた人々の方が
生まれた時から当たり前に触れてきた人々よりも
それを使って何かしてやろうという気持ちが
強いのではないだろうか。
いや、きっと強い。

でも、デジタルネイティブの中にもきっと
そんな気持ちの強い人は確実にいて、
結論としては、世代だけで区切って
乱暴にタイプ分けしてみても、
あんまり意味ないんじゃない?ということだ。

2011年11月12日土曜日

自分を探すな

昔から違和感を感じている言葉がある。
「自分探しの旅」というやつだ。

大体が10代後半~20代前半のあいだに
ある程度まとまった期間を使って、
主に国外を旅をする。
これまで知らなかった
自分の一面を発見するのが目的。

ハードであればあるほど良いとされており(多分)、
行き先はタイやインドなど、日本ほどインフラが
整備されていない国がスタンダード。
お金もあまり持っていかないのがいいみたいだ。

若いうちに外国を旅することに文句はないし、
むしろ見聞を広めるという意味では
得るものも大きいのだろうけど、
「自分探し」っていう言葉がなんかヤダ。

自分というものの本質がどこかにあると仮定して、
それを探しに海外に行くというのは、つまりどういうこと?
日常を置き去りにして飛び込む非日常にこそ自分があるの?
今の自分は本当の自分じゃないとでも言いたいの?
おっと、ストップストップ。
言葉のナイフが止まらなくなる。やめとこう。

自分なんてものは探すほど広くない。
現時点で見えている範囲でほぼ誤差はないのだ。
だから、本当にやらなきゃいけないことは、
その枠をどう超えていくかということ。
不得意な分野やあまり手を出してこなかったものに、
あえて挑戦していき、自分の守備範囲を増やしていく。
それを成長と呼ぶのではないのかい?

大事なのは「自分探し」ではなくて「自分壊し」なのだ。
若者だけじゃなくて。

諸兄、心にデストロイヤーを持とうぜ。

2011年11月10日木曜日

トイレ危機

トイレのドア締めるの
怖くないですか?
僕はすごく怖い。

家のトイレは、
外に開くタイプのドアが多いと思う。
つまり用を足している最中に
何かがドアの前に倒れてきたら、
開かなくなってしまうということだ。

トイレに生き埋め。
これはイヤな死因ランキングでも、
かなり上位に入ると思う。
結婚してからは、
さすがに閉めているけど、
家に一人の時は未だに開けている。

じゃあ、風呂はどうなんだ?という話もあるけど、
まあ風呂は閉めないと
外がビチャビチャになってしまうし、
風呂で生き埋めなら、さほどイヤな死因ではない。

要するに死因として、
イヤかどうかという問題なのであって、
これはとどのつまり危機管理能力の話なのだ。

2011年11月5日土曜日

毎年、漢字能力検定協会が発表する「今年の漢字」。
清水寺で坊さんが太い筆で書くアレ。
広くアンケートを集めて決めているらしい。
知らなかった。

テレビを見ていたら、それに倣って
今年を表す漢字一字をアンケートしていた。
何人目かに登場した小学校高学年の女の子が
答えたのは「絆」という字だった。

今年は大きな災害がいくつも起こり、
だからこそ人と人の間にあるつながり、
まさに「絆」を強く意識する年であった。
人間という言葉もそこから来ていると
話に聞いたことがある。

僕が彼女くらいの年齢の時は、
「絆」という漢字なんて書けなかったし、
その言葉すら知らなかったように思う。
大人になった今ですら「絆」というものを
過不足なく言葉で説明することは難しい。

ふわっと感覚で「捉えている」ような気がするもの。
「捉えられている」ような気になっているもの。
そういう意味では「愛」とか「信頼」とかに近いのだろう。
文句なく尊い印象なところも似ている。
恐れ多いように感じて、あんまり気安く使いたくない
言葉であるところも似ている。

少女に「絆」という言葉を深く刻み付けるほど
2011年は教訓と問いかけに満ちた年だったんだろう。
この年をどんな言葉で語り継ぐのか、
決して忘れないためにも、
考えておいた方がいいのかもな、と思った。

2011年11月3日木曜日

足止めの時間に、あえて大切なことを。

水戸出張からの帰り。
人身事故で列車が止まっている。

不運にも線路に落ちてしまったのか、
はたまた思い詰めての飛び込みか。
何にしろ、多くの人が足止めを食っている。
乗る前に買ったビールもなくなってしまった。

再び動き出すまで、思いつくままに書いてみる。

車窓から見える隣のホームでは、
18〜9のカップルが戯れている。
仲いいなあと微笑むのもいいけど、
日が落ちて帰らなきゃいけない時間が
近づいてくるのを、
紛らわそうとしているようにも見える。
「バイバイ」が言い出せなくて、さ。
いずれにしても恋は良きかな。

立ち食いそば屋からは湯気が立ち上っている。
お客さんの入りは良くないみたい。
そういえば「立ち食いそば」って言いながら、
どのお店も、大概うどんも出してるよなあ。
それなのに「立ち食いうどん」とはあんまり言わないね。
なぜだろ。

落語に「時そば」というのがあるけど、
上方(関西)では「時うどん」に変わるらしい。
落語家の人に聞いた話だから、たぶん間違いない。

生きてると「いい出会い」「わるい出会い」
「どっちでもない出会い」があるような
気がしてしまうけど、
出会いに恵まれていると見える人は
「いい出会い」を引き寄せているのではなくて、
単なる出会いを「いい出会い」に変えてしまうんだと思った。
いつも笑顔でいる人に福は寄っていくし、
だからこそ不機嫌な時間はもったいない。そう思えた。

わりと今後の人生の核になるような
仕事のコツが最近つかめたんです。
それは「人間、できることしかできない」ってこと。
後ろ向きな意味じゃない。
でも、気を抜くと手の届かないところに
あるものばかり数えて、
今できることを見落としてしまいがちになる。
だけど、今できないことはできないのだ。
それよりもできることを、
ひとつもこぼさずにやっていけたら、
きっと結果は着いてくる。
そして、できなかったことにもいつの日か手が届く。
いつか。いつか。

現場検証が終わったらしい。
安全確認ができたら出発とのこと。
まだ書けるかな。

どんな場面でも、小手先の技術など
役に立たないなと思うようになってきた。
逆に自分の中に太い芯を持っている人は、
何が起こっても乗り越えてしまう。
いや、苦悩や葛藤はあるんだろうけど、
それを人に感じさせないようなパワーで
乗り越えてしまう。
まあ、その芯を育てるのが難しいのだけどね。

何というか人生なんて
切り口ひとつでいかようにも楽しめるなあと。
なんだかそんなことを思ったりするのです。
目の前の出来事に一喜一憂してやる義理もない。
隣の人を愛せないからって、別に憎まなくたっていい。
例えば、おもしろがることなら難しくない。

「おもしろきこともなき世をおもしろく」

視点を変え、感情を操るだけで、
世界は結構すばらしい。

あ、そろそろ列車が動き出しそうです。
あえて文章化しなくてもいいやって思ってたことだけど、
ちょっと時間ができちゃったので書いてみただけ。
読んだ人も忘れてくれて大いに結構です。

フォロワー