2011年10月20日木曜日

声にならない叫び

「キャズム」という言葉がある。
マーケティング用語のひとつで、
先駆けとなるユーザーと
一般ユーザーとの間に存在する深い溝のこと。
「谷間」と言ってもいいかもしれない。
新しいテクノロジーが市場を獲得していくにあたって、
この谷間を越えられるかどうかが
ひとつの大きなターニングポイントとなってくる。
ツイッターやスマホは、
ちょうどキャズムを越えたと言えるだろう。

「デスバレー」という言葉がある。
読んで字のごとく「死の谷」のこと。
研究開発や経営の用語として用いられ、
新たに開発された技術が、
新製品や事業化にたどり着くまでに
越えなければならない危機を指す。
資金や人材の確保がその中身であって、
これを越えられずに倒産という
エンディングを迎えてしまうベンチャーも少なくない。

「失われた10年」という言葉がある。
これも言わば経済における「谷間」の時期。
日本では、バブル崩壊後の
1990年代前半〜2000年代前半を指している。
僕らの年代で言えば、小学校高学年〜高校時代と重なり、
物心ついた時からずっと不況だった気がする。
その後も未だ大きな回復は達成できてないので、
「失われた20年」とも呼ばれているそうだ。

かくして人類はあまたの「谷間」に直面しながら、
悩み、挑み、戦い、乗り越えて経済を発展させてきた。
新たな扉の前には、
常に「谷間」が存在しているといってもいいのかもしれない。
「ピンチはチャンス」という言葉にも
そんな示唆を感じてしまう。

ところで、これだけ谷間の話をしてきたが、
女性の胸に話題をすり替えていくつもりは毛頭ない。
「小さすぎず、大きすぎず、C〜Dくらいがちょうどいいよね」
なんてこれっぽっちも頭をよぎっていない。
谷間ってネガティブな意味のものばかりだけど、
胸の谷間だけはすごくすごくポジティブな存在で、
世の中の均衡を保つ救世主だなあ、
なんて僅かたりとも考えていない。
考えていないったら、考えていないんだ。

だけど、なんでだろう。
これだけ谷間谷間と連呼しているのに、
ちっともゲシュタルト崩壊しないのは。
頭の中の谷間の映像が、ずっと肌色なのは。

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